誰か私と一緒に「BLUE GIANT」を観に行ってくれ

観てきたよ。

石塚真一先生の漫画が原作のアニメーション映画。
これ2月中旬から公開してて、今まだ3月中旬なんですけど。
驚いたことに近辺どこもかしこも夜中1本しか上映してなくて子育て中の身にはちと厳しく。

人気作品だし余裕で2、3本やってると思ってたんだけどな。
県内唯一上映している映画館も例外でないことに気付いたのが前日の夜。
血眼になって調べて車かっとばして、唯一13時からの上映を行っていた盛岡で観てきました。
映画館通りバンザイ…アンタその名前最高だよ。

観る前

私のこの作品に対しての気持ちは歴も熱もそんなに深いわけではないと思っていました。
原作は無印とシュプリームをコミックスで完読しています。全て夫のものです。

大変面白く読み終わった後の満足感も余韻も半端ない漫画なんですけれど、不思議とあまり読み返したことがなかったな。

観てきた

う、ううう…

なんぞあれ すごい燃えた……

感想は演奏シーンを中心に。でっけえネタバレは伏せてます。
まずは落ち着くためにあらすじを書こう。

あらすじ

仙台市出身の主人公、宮本大(サックス)が沢辺雪祈(ピアノ)、玉田俊二(ドラム)と東京でジャズバンドを組み、名門ジャズクラブ「So Blue」での出演を目指し、駆け抜け、成長していく様を描いたアニメーション映画。

映画は、仙台編をかっとばし、東京からのスタートです。
それでも結構な巻数だったはず。
そんな内容を2時間で、しかもそのうちの結構な時間を演奏に割く必要があるためストーリーがだいぶはしょられた点はしょうがない。

多分熟読してるガチ勢だったら残念だったかもしれませんが幸いにも私はライト層。

はしょられがどうでもよくなるぐらい演奏シーンが良かったんですよ。

大のサックス、原作だと擬音がバー―――!!!!!じゃないですか。
中でも大は聴く人の内臓を揺るがす重量感のある音を出してることが伝わる凄まじいバー―――!!!!!それが音になるとどうなるんだろうと興味を持っていたのはそこでした。

そしたら、あれ

思っていたより、ずっと繊細じゃないですか…

※今更ですが私のジャズの知識はゼロです。
※まじめに聴いたことのあるジャズは逆転裁判のジャズアレンジサントラのみです。

拍子抜けしたという訳ではありません。
1音目から圧倒されるのかと思っていたのが、徐々に弾き込まれた感じです。
ところどころで覗く音の掠れは荒削りというよりも味のようなものを感じて耳に心地よい音でした。

毎回ライブで死んでいるというだけあって、大はどのライブも全力でよく動いて視覚的にも魅せてくれるし、ジャズ知らないけど、サックスは華のパートなんだろうなって思えました。

雪祈のピアノも雷に打たれたぐらい良かった。
TAKE TWOで練習始めたばかりの頃、「(鍵盤の)こっからここまでの範囲なら暴れても問題なし」みたいなセリフ吐き言いながら弾いたピアノからすでに感動させられてしまった。
めちゃくちゃに弾いてるようにしか見えないのにかっこいいと思える不思議…
ムカつく…(愛をこめて

So Blueでサポートとして参加して一皮向けたシーン良かったですよね…
なんかの作品で楽器を演奏することは性行為に似ているといった台詞があったんですがそれを思い出しました。
誰よりも出演を渇望してたSo Blueでこいつは…出し切って、そして……ウッ頭痛が…!!!!


玉田のドラムは、涙が出るかと思いました…
演者の背景が見える演奏ってこんなに胸にクるんだなと。
楽器じゃないけど天使にラブソングを2とかも経緯を知ってるから感激していたんだろうな。

"WE WILL"のドラムソロは、ここに辿り着くまでの玉田のことを考えるともうね。
メンバーの中でもド素人としてスタートして、足を引っ張っていることを自覚してそのうえで続けてきた真髄なドラム。強いなこの子…。
音楽に詳しくない私には技術の良し悪しはさっぱりわかりませんが、魂が震えるソロでした…そのソロが終わりに向かう時、バトンを受け取るようなサックスの入りも最高なので、ヘビロテしています。

作中でいちばん好きな曲です。

え?ピアノ?聞こえねぇな……

嘘です。
ちょっと落ち着いてから"FIRST NOTE"を聴き返したんですが、雪祈のピアノソロに入ってすぐ、玉田の気遣うようなドラム(とても優しい音)がめちゃよかった…こんなことができるぐらいにこの3人は一緒に演ってきたんだよな…長さというか密度がすごかったはず。

音楽は全く文句ないです。(付けられる立場ではない

シナリオは…ラストの雪祈が●●に●●するのは「これはファンに叩かれるぞ…」という思いが正直よぎりました。
私はスタッフの「この3人が●●で●●するのをどうしてもやりたい!!!!!!!」という気持ちが伝わってくるようでそんなに嫌ではなかったかな。
耳が至福だったし。

あとこれは映画終わって帰宅した後に感動したことなんですが、
今回メイン3人の声は全員俳優だったってまじですか…
上手すぎだろ…
芸能人に疎いのでクレジットを眺めてても気が付かなかった…。
「(居たな~間宮祥太朗って声優…)」とか思ってた。居ないよ。

アレだった点

ここが残念だったという点あります。
というかこのせいでたびたび現実に引き戻されたんですが…

モーションキャプチャのモデリングが最高にプレイステーションです…

「えっ私今プレイ動画観せられてる?」って錯覚を起こすぐらいには時代を逆行したのっぺりモデリングに見えたんですがどうですか…
プレイ放置してるクーロンズゲートこんな感じじゃなかったかな。
作画の良いアニメーションが合間に挟まるせいでよりのっぺり感が浮き彫りになって、その度テンションがお通夜になるのがたまらなかった…終いには癖になれたら良かったんですがその域まで行かず。

映像といえば"FIRST NOTE"の映像の使いまわしも残念だったな。
演奏中のムービー(モーションキャプチャじゃない方)がめちゃくちゃ力入ってるのででラストの演奏も新鮮な気持ちで観たかったんですよ。
全体通して良かっただけに、ラストちょこちょこ既視感が反復横跳びで出てくるのが残念でした。

とにかく誰かに観てほしい

おすすめしたい〜めっちゃおすすめしたい〜!
ストーリーはとても分かりやすく、未読勢やライト層には安心しておすすめしたいです。
何よりもあの映画館の大画面と音量で演奏を見てくれ聴いてくれという感じ。
そして雪祈に沼ってください

ほんと今すぐ走ってほしい上映数少ないんでもうすぐ終わる気配がするんで…
私もまた県境越えるかもしれんけどまた観に行きたい切実に…